ポスドク”って聞いたことあります?

あんまりなじみのない職業だとは思いますが、研究者の世界ではものすごく一般的な職です。

ポスドクのドクとはドクター、つまり博士号を持っているってことです。もちろん大学の先生とかちゃんとした(?)常勤の職に就ければいいのですが、大学院を出てすぐにというのは難しいことなのです。で、大学院を出るなりして博士号を取った人の大部分はポスドクとして研究者生活を
送ることになります。もちろん給料はもらえます。要はポスドクとは契約社員みたいなもんです。常勤の職ではないですが、逆に言えば義務がないので自由に研究ができるというのが利点です。

ポスドクの口は日本国内にもあるのですが、海外でポスドク、という人も多くいます。最近は日本の研究レベルもかなり上がってきているのですが、僕の場合はせっかくのチャンスなので大学院を卒業したらポスドクとして留学したいなあと漠然と考えていました。

そう思いつつ1999年の春にアメリカの学会に参加した時に、JJさんという若い研究者に会ったのです。彼は最近までGSさんというとても偉い人の研究室のポスドクで、かなり印象的な論文を数多く出していました。今は自分の研究室を新しく構えていて、かなり面白いテーマが進行中とのこと。僕の発表を見て気に入ってくれたようで、ウチのポスドクになる気があるのなら一度自分の研究室に来てみると良いと言ってくれました。これはかなり良い話だと思って、すぐにでも彼の研究室に決めてしまおうかとも思ったのですが、卒業まではあと1年あるし、他の研究室にも打診してみることにしました。

ポスドクの就職活動なんて一体全体どうやっていいか全く分からなかったので、以前から凄いなあと思っていた人々に E-mailを送ってみました。まあ無視されるか丁重に断られるかだろうと思っていたのですが、 意外なことに4カ所とも返事が返って来たのです。どれも要するに「研究室まで来て面接(要するにセミナー)をして欲しい」というものでした。こんな感じで就職活動が始まったわけです。訪問する研究室のうち3つはアメリカで2つはヨーロッパでした。最初アメリカに行って、一度日本に帰ってきてから5日後にはヨーロッパ に行くというかなりきついスケジュールだったのですが・・・。

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